国道17号線旧道 境橋(2011/11/20)①
- 2014/05/28
- 00:18
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落葉敷き詰める晩秋の廃道。
九十九を越えて二居峠を登る現道の走行音をよそに、古よりの峠越えルートを外れて峡谷にラインを描いた旧道を往く。

路面脇に並ぶ、傾き苔むした旧式の駒止。
小さいながらも、ここがかつての幹線国道であった証人。

やや強めに右へカーブした先。
袂に近づいて初めて其処に橋がある事に気付く。

沢筋に架かる橋に初雪積もる。
放棄された幾年の間に倒木だけでなく、路面に積もった土の上に根を下ろした低木すら育ちつつある。
夏場なら橋上の密林と化していよう。
しかし特異な様相のこの橋は、上だけでなく下層もまた特殊な構造を持っていた。

桁下に弧を描いた鋼材にトラスが組まれる。
この形式のトラスは道を覆うような形で張られた物(下路)は偶に見受けられるが、桁下に張られた物(上路)はここ以外には無い。
唯一無二の存在が、この場所には棄てられていた。
続く