国道17号線旧道 境橋(2011/11/20)②
- 2014/06/01
- 11:36

上路ボウ(弓)ストリング(弦)と呼ばれる形式の境橋。
1952年(昭和27年)開通、戦争で中止されていた三国峠への車道工事の鏑矢であった。
しかし、三国トンネルが1957年に開通した4年後、1962年(昭和37年)に二居トンネル経由の現道が開通し、短い現役時代だった

橋台と桁の接続部は意外と華奢。

下より仰ぎ見る。

横には旧々橋の橋台が残されていた。
木製橋だったと言う。

真下から。
トラスの上にコンクリートの板を乗せただけと言う簡素な造り。

旧々道の橋台から境橋と新境橋。

銘版は外されていた。

境橋を過ぎると道は更に荒廃を深める。

路肩が崩れ、人一人歩くのが精一杯しか残っていない。

やがてどうにもならない程の大崩落が現れ引き返す。

二居峡谷を流れる清津川。
古代の街道は何より水辺を恐れ、出来うるだけ内陸へとルートを取っていた。
三国街道も崩れやすい渓谷を避け峠越えを選んでいたと考える。
しかし車道を通すに当たっては険しい峠越えを回避する為、あえて渓谷沿いのルートを開削したのであろう。
だがやはり余りに崩れやすい地質で、維持するには多大な困難が伴ってしまった。
結果、現道はある程度の登った所でトンネルで貫くと言う古道と旧道の中間策とも言うべき形になっている

貝掛温泉付近から新境橋とその下には木々に隠れて旧境橋。
谷間より引かれる弓弦。
峠にはもう届かない。