厚木基地引込線①
- 2018/01/12
- 22:55
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相鉄線相模大塚駅より海老名側へ少し行った所にある踏切。
その地点よりかつて厚木基地へ燃料輸送列車を送り込んだ線路が分岐していく。

分岐してすぐに線路はバリケードで封鎖。
1998年を最後に燃料輸送は行われておらず、ずっと休止線として扱われていた。
厚木基地は米海軍第7艦隊の空母艦載機部隊の本拠地として使用されているが、基地自体は1942年(昭和17年)に日本海軍の飛行場として開設されており、引込線も同時期に開設された。

分岐部海老名側をみると引き込み線がしばらく続いた後に車止めで終了。
列車は横浜側からやってきてスイッチバックで厚木基地へ向かう経路をとっていたようだ。
ちなみに引込線分岐部にある踏切は国道246号線の旧道(図中赤線)なのだが、元々の大山街道(図中青線)が長津田から海老名方面へ一直線向かっているところを、無理やり途中で分岐させ相模大塚方面へ寄り道させるような線形になっている。
相鉄線の相模大塚駅も開通当初は現在のさがみ野駅の辺りにあったのを移転させ現在の駅の位置になった。(その後、さがみ野駅は1975年に改めて開業)
国道のルート変更も駅の移転も日本海軍厚木飛行場開設に合わせて行われており、軍事的な意図であった事を伺わせる。
また、現在は厚木基地の引込線のみが分岐していくこの場所も、戦前は周囲にあった弾薬庫・補給庫に伸びる引込線もあって大規模なジャンクションとして扱われていた。
1946年時の航空地図。左上に引込線分岐。→http://mapps.gsi.go.jp/contentsImageDisplay.do?specificationId=228751&isDetail=true

草生した線路、細く頼りない木製架線柱が住宅地を抜けていく。

県道40号との踏切。
休止線なので一時停止はしなくてもいいはず。
でも傍に警官がいたら思わず止まりそう。

分岐直後とうって変わってしっかりとしたコンクリ架線柱が立てられている。
よく見ればレールも規格の高い立派な造り。
分岐直後は帝国海軍時代からそのままだったのが、ここから先はリニューアルされているようだ。

注意すべき列車はもうやってこないけどね。

蔦絡む踏切動作反応灯。
列車は来ないので当然点灯することもない。

レールの進路を覆う木々。
領空侵犯だ。

おそらくこの引込線が最も多くの人々に見られているであろう東名高速の跨道橋。
この下では猛スピードで幾多の車が行き交っているが、橋の上はいたって静かな光景。
続く。